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黒河内林道と入笠山周辺の林道 / 長野県

林道ツーリングレポート (065/'05.8.7)


 爽やかな牧草地帯を走り抜け、真夏の入笠山周辺の林道を楽しんできました。
真夏はやはり高原です。日が高く上らないうちの爽やかな草原や湿原は気持ちいいですね。今回は中央道・R20を山梨方面から長野県に入ってすぐのエリア入笠山周辺を自然探索中心に走ってきましたのでレポします。

●実走コース
(省)・・・R20(長野県富士見町道の駅「信州蔦木宿」泊)→原村青柳集落→【林道金沢線】→町道入笠線【林道丸金線】【林道黒河内線】→R152→高遠(昼食:蕎麦)→R152(杖突街道)→【町道高嶺線】【林道千代田湖枯木線】【林道板室線】→R20→中央道→(一宮御坂IC〜八王子IC間渋滞のため一般道、陣馬街道経由)・・・(省)

●データ(05.8.7)
【林道金沢線】
走行可
ダート約8.8km
R20のJR青柳駅近くから入り、入笠山の稜線までずっと緩やかな上りが続く道。坂が続く割には非常に走りやすい路面で、幅員もそこそこ広くてゆっくり楽しめる。夏季は眺望は利かない。
【林道猿ヶ入線】 走行可
ダート約1.2km
金沢線のダート開始から約5.5kmで右に分岐し、千代田湖枯木線に接続する短いダート。
【県道芝平高遠線】 走行可
ダート約3.2km
金沢線の終点となる十字路を同線の反対側に伸びる道。
【林道丸金線】 走行可
ダート約5.8km
入笠山山頂近くの牧場地帯から下るが、細くて急坂の続くやや荒れた道。
【林道入笠線】 走行可
全線舗装?
ほぼ全線舗装された林道で、入笠山の登山、観光目的の一般車も多い
【林道黒河内線】 走行可
ダート約14.8km
入笠山山頂付近の牧場地帯から、R152美和湖方面へ小黒川沿いに延々と下ってゆく道。展望はあまり開けないがゆったりした道で、気持ちよく走ることが出来る。
【町道高嶺線】 走行可
ダート約17.0km
R152と県道211芝平高遠線を結ぶ小豆坂トンネルの西側入口より始まって尾根伝いに、林道千代田湖枯木線・町道入笠線との分岐まで17kmを走り抜けるロングダート。赤土主体の地質に砂利をまいたダートで、走行に問題なく、空も広々している区間が多く明るく楽しい道。
【林道千代田湖枯木線】 走行可
全線舗装
町道入笠線を北西側へ延長したような区間、町道高嶺線分岐から千代田湖までの舗装路。
【林道板室線】 走行可
ダート約2.9km
細く林間の暗い道。舗装化が進み本線ダートは上部2km足らずで、舗装区間を少し下ると約1kmダートの旧道が並行して分岐する。

●林道地図  レポ文中には位置を地図内の○付数字で示してあります
入笠山エリアの林道地図


(1) 道の駅「信州蔦木宿」
R20で甲州から信州に入り、程ないところにある道の駅。前夜遅くに乗りこみで、日の出より前に出発を目論見ましたが、どうもいけません。最近は寝不足が響いていることもありますが、決めた時間にしっかり起きられません。
閉めきった車内で、少々暑いなあと感じて目覚めると、既に朝の日がそう低くもなく、車内に射しこんでいました。
まあ、特別早くから走ろうとした予定に遅れただけであって、決して林道を走るのに遅い時間ということはないので、気を取り直し、急ぐでもなく朝食をいただいてから出発します。

この道の駅は、温泉施設(10::00〜22:00火曜定休500円、18:00以降400円)も露天、ジャグジーと充実していて、前泊基地としては悪くないですね。
(2) 林道金沢線
R20を北上し、右(東)にJR線の青柳駅を見てすぐのところを国道から左(西)斜めに入ってゆく細道がありますので、これを折れて道なりに走ると、そう走らないうちに集落が切れて、林道金沢線に入ります。よくよく注意して捜したわけではないですが「金沢線」の表示はなかったかもしれません。【地図@】
(3) 
林道金沢線は、はじめのうちこそ少し暗めの林間を走りますが、全体には空も開ける明るい道で、ところどころ眺望も望めます。それにもまして、入り口からほぼ全線がゆるい上り坂であるにもかかわらず、路面がよくて非常に走りやすい道です。
これは、この道がBMXのコースとなっていて、よく整備されているからなのだと思われます。
(4)
途中にある「展望台」。正面に八ヶ岳、右に富士山が望まれるようです。しかし、そうはいっても、夏は木が生い茂って、この日の景色はさっぱりでした。
R20から、このあたりまでの標高の低いところでは、エゾゼミの「ギョー」っという鳴き声が降るように聞こえていましたが、標高の上昇とともに徐々にまばらに・・・やがて、聞こえなくなってきます。
【地図A】

(5) 林道猿ヶ入線分岐
ここで、林道猿ヶ入線と出会います。T字(左画像)に突き当たりますが、右から来るのが林道猿ヶ入線(右画像)で、全長1.2km程の短いダート林道です。この林道は、あとでまた出てきます。
さて、本線はT字を左に進みます。
【地図B】

(6) 金沢支線林道分岐
少し先に金沢支線林道の分岐がありましたが、ここはゲートがCroseです。地図上では、約3.5km程で行き止まりのようです。
(7) 
鬱蒼としていた木々が、すこしづつスカスカしてきて、明るい林内を走る快適な道です。路面には新しい砂利がしっかり撒かれているのがわかるでしょうか。
(8) 
少し進むと金鶏金山跡の入口があり、これがその案内板です。「信玄の・・・」というのは、こちら方面では決まり文句ですが、残された金鉱の有無は解りませんが、なかなか興味深い史跡もあるようで、時間がたっぷりあれば寄ってみたいものです。
また、この金山にある「千軒平」という地名ですが、ここでは「金堀の人たちの居住地」だったと説明されています。
5月に行った阿武隈の銅山林道近くでも同様の地名があることをレポ60の(24)に書きました。
(9) 金沢線終点
今度は、左右に走る舗装路と直進ダートの4叉路(左画像)に出ました。林道金沢線はここで終了ということになるのでしょう。左右に走る舗装路が町道入笠線、直進が町道芝平高遠線です。
町道芝平高遠(右画像)は約3.2kmのダートが残っている道で、この場面では、そちらへ進みたいところですが、この先の予定コースを考える上では、ここは左折して、入笠山方向へ町道入笠線を進みます。
【地図C】

(10) 山頂周辺林道群(周回林道)
稜線上を進む道は、緩やかに上下を繰り返し、高原状の周囲の景観は快適です。
画像の分岐で左のダートに入ります。
このあたりの、入り組んだ各林道は、どこが何線で、それはどこが起点・終点なのかはっきり分かりません。ともかく、この分岐の左右の道は入笠山のすぐ北側をループして繋がっている道です。
【地図D】
(11) 
引き続き気持ちよい高原の道が続きます。木々も徐々にカラマツやシラカバなどの樹種が多くなり、雰囲気は満点です。
(12)
ダート区間のT字路。左は林道丸金線で、約5.8kmの細く急坂なダートがR20、JRすずらんのさと駅近くの方へ通じています。
ここも、コースの都合上右へ進みます。
【地図E】
(13)
すると、まもなく右側に山小屋風の建物が見えてきます。このあたりにはいくつか建物が見えますが、それだけ、のんびり出来そうないい場所ということです。

ところで
入笠山ですが、「にゅうがさやま」と読みます。
コンサイス日本山名辞典によると、「入=にゅう」というのは稲の束を積んだものを指すようで、山の形がこれに似た山に「入」の字が充てられることが多いようですが、この山はどうでしょう。

(14)
このT字路でダートがいったん切れて(車は画像右下方向から来た)、直進、左折とも舗装路になります。
左折は林道入笠線で(画像(15)左)、いまやオール舗装された林道です。
また、ここのT字路は徒歩の登山道も交差していて、カメラを構えている方向から登って来て、左折の
林道入笠線と直進舗装路の間を更に登ってゆきます。
(15)右の画像は、その登ってくる登山道です。天気もよかったこの日は、たくさんのハイカーが歩いていました。
【地図F】
(15)
左画像の道路右方向に見えている草原は高山植物の宝庫になっていて保護されていますが、たくさんの花がまさに咲き乱れていました。この後の黒河内林道の昆虫たちと合わせて一部を別ページに紹介します。

入笠山の蝶と花
(16)
T字路の(14)の分岐から舗装路を直進して、しばらく進むとひときわ広々とした風景が広がってきます(画像は、クリックすると大きな画像にリンクします)
この景色が見える頃、右からの合流路がありますが、これが(10)で別れた、周回林道k北周りルートの南端になります。

(17) 
やがて、舗装路から外れて南方向へ直進するダートが現われます(左画像)。また、一方で舗装路は小さく右ターンして北側へと入ってゆきます(右画像)。この周辺はもうすっかり牧場状態で、キャンプ場にもなっています。のんびりしそうな景色を後に、直進ダートへ進みます。
これが次に進む林道黒河内線となります。
【地図G】

(18) 林道黒河内線
ここで牛封じのゲート1を通過します。このゲートは、例によって開けて中に入ったら、必ず後を閉めてから進むことに注意しましょう。
(19)
牛封じのゲートbQを通過しました。この先はずっと小黒川に沿って非常に緩やかに下ってゆく一方の道です。
(20)
黒河内林道周辺もたくさんの草花や昆虫が見られ、道が標高を下げて行くにしたがって、その相を少しづつ変えながら楽しませてくれます。
こちらの昆虫たちも別途ページで紹介していますので、(15)の[GO}のボタンから入ってみてください。


(21)
黒河内林道からは、いくつかの分岐する林道があるのですが、残念ながら現在すべての線がゲート閉鎖となっています。ここもそのひとつ。程久保山頂方向へへ伸びています。【地図H】
(22)
このように川といいますか沢に沿って走ります。視界の先に右方向へ橋で分岐して伸びている西谷林道が見えています。
(23)
東谷林道は、林道黒河内線のダート区間での大きな分岐としては最後になる分岐ですが、ここも治山工事で閉鎖しています。なかなかいい道なので残念です【地図I】
(24) 特徴ある石
ダートの終盤に一つ特徴のある石が進行方向のすぐ左に見えてきます。林道でのこういう石というのは、一度見たらずっと目に焼きつくものですよね。
(25)
黒河内線はダート距離もある道ですが、全体に荒れたようなところはまったくなく。比較的安心して周辺の自然を楽しみながら走れます。このロングダートも間もなく終わろうとしています。
(26)
ダート区間が終わって舗装路に入ると間もなく、えっ!こんなところへバスが?と思うような細道ではありますが、旧店舗風の建物とバス停が見えてきます。
「戸台」という名のバス停で、地図にも地名が記されていますが、現在では周囲に集落があるようには見えません。
(27) 南アルプス・スーパー林道
さらにもう少し先で、急に道が開けた感じになるとともに、進行方向左に大きな赤い鉄橋で分岐する道が現れます。これが有名な南アルプス林道で、いわゆるスーパー林道のなかでも、特に知名度の高い道です。しかし、自然破壊の象徴のように言われ、決していいイメージで有名なわけではないのが残念なところです。
この道は一般車は通年通行止めで、南アルプスの稜線を超え、山梨県境でもある北沢峠まで長谷村の村営観光用バスが1日4便ほど通じています(ここから北沢峠まで950円、下記(29)からは1100円)。
【地図J】
(28) 楽しそうな河原
橋の周辺から下流はしばらく、車でも降りられるようになっている河原があります。のんびりしていて、天気のいい日は楽しそうです。ただし、上流での大雨を含む雨のときは注意が必要かと思われます。
(29) バス停
赤い鉄橋をバスが渡ってゆくのを見届けて先に進むと、何やらこんな山奥には相応しくないたくさんの車の姿が・・・
ここは、南アルプス林道を走るバスの停車場になっていて、自家用車から乗り換えて山へ向かう方々の駐車場になっていました。このバス停で売っているという「おやき」がむしょうに食べたくなってしまいましたが、夏はさすがにちょっと置いてないようです。

(30) 美和湖
バス停も過ぎると、道はすっかり一般の里道で、まもなくR152に出ます。
すぐ近くにR152を横切って更に西へ向かう林道女沢線がありますが、時間は昼で、山中での食事は用意していません。ここは、おとなしくR152を北上して高遠の町に向かいます。
画像はその道中の美和湖です。この地方では大きなダム湖です。
(31) 高遠の町
やや暑いですが、久々に高遠の町歩きを楽しみました。昼食は、R152の市街地東側入口にある華留運(ケルン=画像のお店)で高遠そばをいただきました。また、どうしても先程「おやき」を食べたかったのを引きずってしまっていて、街道沿いの別のお店で、冷凍モノの「おやき」をレンジ解凍してまで意地でも食べました。もちろん、焼きたてのような風味は望むべくもなかったのですが・・・
(32) 町道高嶺線
高遠で腹を満たした後、R152を市街から更に5km程度北上し、ロングダートの町道高峯線へと向かいます。R152から、一山挟んでこれと並行して東側を走る県道211号芝平高遠線へ抜ける小豆坂トンネルへ向かい、トンネル直前の入り口まできました。
画像で代官号のすぐ前に見えているのがその入口で、ここから一気にこの尾根の稜線まで登り詰め、あとはずっと稜線上を辿って行くルートになっています。
【地図K】
(33)
まず、入り口から1.1km程で右に一つ分岐があります。これは、ここから北へ向かう本線とは逆方向へ、同じ稜線の延長を辿って南へ向かっておよそ2kmほど進む行き止まりの道です。
【地図L】
(34)
もう0.8km程進むと、また右から、もう一つの道が合流してきます。こちらは(32)で本線の入り口に入らずに直進し、トンネルを抜けた先にあるもう一つの入り口から続く道です。
【地図M】
(35)
町道高峯線は、地盤は基本的に赤土が続いていますが、その上に砂利が多く敷かれています。砂利のないところは、このように赤土の路面がつづきますが、砂利がある区間は、場所によって砂利がやや大粒なのでゴツゴツ感はあります。
(36)
しかし、先へ進むにつれて空が明るく見えてきます。この解放感がこの道の一番大きな魅力だといえるでしょう。
(37)
それも、この区間あたりになると一段と開放感があります(本ページの扉の画像も同所です)道の先がかなり遠くまで望めるんですよ。
【地図N】
(38)
町道高嶺線の終点です。出た先は左右とも舗装道で、右は(09)で走った町道入笠線で、左は林道千代田湖枯木線になります(左画像)。 空には積乱雲が頭をもたげてカナトコ雲が出来ようとしています。夏らしい空です。ここからは、左折して、林道千代田湖枯木線に入ります。【地図O】

(39) 林道千代田湖枯木線 - 林道猿ヶ入線
千代田枯木線は全線舗装の幅広の林道で、R152杖突峠方面等から町道入笠線経由で入笠山方面へ入るための連絡路として利用が多く、一般車が多く走っています。

千代田枯木線はワインディングを下り切って終わり、終点は同時に林道猿ヶ入線の分岐にもなっています。
画像は向かって右の舗装道が千代田枯木線、左のダートが猿ヶ入線となり、手前方向は舗装の町道で千代田湖方面となります。
猿ヶ入線は、ここから前記の(5)の分岐へ約1.2kmで通じているわけです。
【地図P】
(40) 千代田湖
千代田湖です。
午後のやや倦怠感ある日の光を、さざなみ立つ水面が散り散りに映すのを背景に、ヤンマのシルエットが行き来するさまは幻灯を見るようです。
ただ、よく見れば、やがて湿原化していきそうな感じの水深の浅そうな沼です。それでも、ここを中心に人が結構集まっていました。
(41) 林道板室線
千代田湖を横に見ながら、高遠方向へ向かう道(先で県道490に繋がる)と別れて右折します。
すると、右折後約1.4km進んだあたりで、右後方へ分岐してゆくダートが見つかります。入り口に林道表示板がありますが、そこには手書きで「林道板室線」と書かれているのですが、やや寂しげな風景です。
【地図Q】
(42)
林道板室線は、ずっとあまり明るくない林間を行く道で、静かな環境ではありますが、特に見所や楽しみといったものは乏しいかもしれません。
また、本線ダートは、入り口から2km足らずで、その先は別荘地まで舗装林道となっているのですが、舗装になってから400m程のところで道が左右に分岐しており、右の舗装された本線に対し、左の旧道には、まだダートが残っています。新道(本線)と旧道は出入り口ともに、それを示す文字が記された木製の柱が立っていて分かりやすく、また、旧道は幅員は細いものの、よく整備されたダートです。
(43)
全線ダートの旧道は1km程でまた本線に合流し、まもなく別荘地風の集落を抜けてR20へと出てゆきます。
【地図R】


夏の山は、やっぱり気持ちいいですね。昆虫や草花も豊富です。
今回はたっぷり楽しめはしましたが、少々時間が足らない感じでした。朝の3時間寝坊が響いてしまった感じです。

さて帰路は、案の定の大渋滞という感じでしたので、下道で・・・といっても、柳沢峠が不通のため陣馬街道なんて滅多に走らない道を、久々に通りました。でも結構通行料多いですね。峠から通じる林道醍醐線のダートは健在ですが(左画像)、もちろんゲートcloseです。





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