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王城枝垂栗線と周辺の林道 / 長野県

林道ツーリングレポート (072/'06.5.3)


 北、南、中央、3つのアルプスと伊那谷を眺めながら林道王城枝垂栗線を走りました。
5月の空は晴れれば、とても気持ちいいもの。それも信州の乾いた高原の空気の中にあっては爽やかそのものです。今回は天候にも恵まれて、諏訪湖の西岸から山に入って伊那谷へ下って行く、林道王城枝垂栗線を中心に周辺の林道レポを紹介します。
特に「日本の中心の碑」がある鶴ヶ峰の展望台は、南、北、中央のアルプス、八ヶ岳連峰、伊那谷と本当に見事な360度の眺望で、まさに日本の中心の名に恥じない絶対にお勧めの展望地です。

●実走コース
(省)・・・→岡谷IC→R20・県254→(鳥居平やまびこ公園)→林道高尾山線→王城パークライン→しだれ栗森林公園【林道王城枝垂栗線】【林道七蔵寺線】→辰野町市街→R153・県201(横川河原で昼食)→【横川坊主林道】(ゲートOUT)→横川ダム→【林道大横川線】→R153→箕輪町→萱野高原(林道峯山線入口)→R153→伊那市(泊)・・・レポ73に続く

●データ(06.5.3)
【林道一の沢線】
通行止
今回未走・ダート約1.5km程度
県道254から林道高尾山線へ下る短いダートだが、チェーンゲートで閉鎖。
【林道高尾山線】
走行可
ダート約4.8km
諏訪湖を見下ろす高台から高尾山の北を巻き王城パークラインのすぐ南をしばらく並走して同ラインの小野峠にでるルート。松林主体の静かで明るい林間道で野鳥の姿も多い。
【林道小野路線】 走行可
今回未走・ダート約3.5km程度
北側は高尾山線から二股に分岐、いったん山を下り、南側は再び山を登って高尾山線小野峠側基点で合流する。
【林道ススキ平線】 舗装済
しだれ栗森林公園の南端を走る。王城枝垂栗線から小野峠へ伸びる支線に接続。
【林道王城枝垂栗線】 走行可
全線約13km/ダート約8.1km
しだれ栗森林公園付近から辰野町中心地にかけての山域の尾根上を南北に走るルートで、松林が多いが、時折、右に左に展望がある。途中にある日本中心の碑付近は絶景地。路面は全体に滑らかな土路面で、幅員もあってイージー。
南側5km程が舗装された。

【横川坊主林道】 入口0.5kmで通行止
全線ダート約10km程度・派生林道数本あり
横川川(「川」がダブる)を遡り坊主岳山頂直下へ延びるルート。ロケ抜群な上、走りやすそうな道だが、ゲートが閉鎖されていた。施錠せず自己責任走行可となる期間もあるらしい。ゲートの先、南側に【大洞林道】、【大滝林道】、北側に【瀬戸沢林道】といずれも走り応えありそうな道が派生するだけに残念。

【林道大横川線】 走行可
全線約10.5km/ダート8.1km
横川川沿いの横川集落を見下ろしながら走る南側の山腹を縫うルート。展望はさほどには開けないが、素朴で比較的明るい道。松、カラ松の林が続く

【林道峯山線】 走行可?
今回、未走全線ダート
萱野高原からは走りやすそうな路面が延びる。反対側はR152へ下るが、うまく抜けるかは?


●林道地図  
北伊那・辰野エリアの林道地図


(1) 林道高尾山線
まず、諏訪ICから岡谷市街を背にしてR20を塩尻峠方向へ向かいました。登板半ばで、鳥居平やまびこ公園への道へ左折(南西)すると県道254号線となり、公園を過ぎた先のヘアピンから下る「林道一の沢線」が見えてきます。しかし、ここはチェーンゲート閉鎖でした。予定を変更し、林道高尾山をはじめからたどることにしました。やまびこ公園の中を走り下る道で、諏訪湖が遠望できるカーブまで来ると、右上方への道が見えてきます(左画像)。ここが高尾線の基点、100mも走ればすぐダートとなります。
また、まもなく、(1)で初めに入れなかった、一の沢線の逆側の合流点を過ぎます。ちなみにこちらもチェーンゲートありでした。見たところ常時閉鎖かどうかは判別つきませんでした(
右画像)。
(2)
高尾山線は暗い林間で始まりますが、すぐに南斜面の明るい道になります(左画像)。
朝の日差しが明るく、この時期、どの林道でも目につくヤマブキが沿道に明るく咲いています(
右画像)。

(3)
林道の入口から1.6km程で左に舗装道が分岐しますが(左画像)、そちらは天竜川方向へ下るだけの道ですので迷わず右のダートを進みます。道は松とカラマツの混合林が多く、カラマツは特に新緑が空に映えてきれいです(右画像)。

(4)
暖かな日の射す緩やかな斜面に沿った道で一休み(左画像)。野鳥の声がかわいいです。林道の入口から3.3kmでまた分岐(右画像)。今度はどちらもダートで、右が本線です。左は林道小野路線となり、多分左のほうがより長いダートを楽しめるでしょう(地図参照)。

(5) 
林道高尾山線もそろそろ終了。左画像の車両脇には林道表示板が出ているので、正式にはここまでで終了ですね。この先左画像の左方向200m位で、王城パークライン(特別な道路ではないです)に出ます。同画像手前方向のダートは、路線名は同一ではないかもしれませんが、いずれにせよ、(4)右画像で左に分岐した小野路線の先と繋がっているはずです。
左画像の左方向すぐ先に
右画像の「小野峠」の古い石標が立っています。中山道の表記がありますが、どのくらい昔からたっているのでしょうか、うっかり検証を失念しました。

(6) 
ここが王城パークラインへの出口です。正しくは「塩嶺王城パークライン」(えんれいおうじょう・・・)で諏訪湖・岡谷市方向の眺望がいい路線で、特に夜景は素晴らしいようです。

このあと、画像右方向へ折れて栗森林公園へと向かいますが、公園よりずっと手前、走り出してすぐにもダートが進行方向左に見えます。これは未確認ですが、地図上の情報では、森林公園裏をまわって、次の林道王城枝垂栗線に直接繋がるダートのはずです。
(7) しだれ栗森林公園(林道ススキ平線入口)
左画像はしだれ栗森林公園の入り口付近です。林道になっていて「林道ススキ平線」となっています。
しだれ栗は辰野町の町木であり、この一帯のものは国の天然記念物にもなっているようです。まだ、季節柄芽吹いていませんでしたが、樹形は異様とも感じる形。シバグリの突然変異らしいですが、この地域に生える栗がみなそうなる道理はないはずでしょうから、人為的に増やしたということでしょうか?
右画像の左半分の山の手前側はすべてしだれ栗です。

(8) 林道王城枝垂栗線
この日メインの林道王城枝垂栗線は、(7)の公園のすぐ先(南西)から、左画像のように山に入ります。道の向こう側も、みなしだれ栗で覆われています。
舗装は坂を少し上るとダートになります。道幅も広く走りやすい道で、入口から1.7km走ると、右画像のところで、進行方向左からのやや細いダートと合流します。これはたぶん(6)に書いた公園裏まわりのダートと思われます。
(9)
林道は、ほぼ尾根のエッジ上を走っていますので、右に左に景色はみえます。ただし、たいていは松の木でほとんど覆われていて、木々の間から透かして見える程度です。
気になったのは、道のいたるところで「入山禁止」の札が目立つことでした。この林道に限らず、今回走ったすべての林道に共通しているので、はじめは何だろうと思ったのですが、少し考えれば、なるほど・・・ほとんどの道が松の林の中を走る道です・・・こりゃマツタケですな〜。中には右のような「茸止山」につき・・・とか書いてある札もあります。はて?これは造語でしょうか、専門用語でしょうか、聞いたことないですねぇ。
(10)
まだ木々の新緑が生えそろっていないので、こんなふうに、透け透けで景色が楽しめます。北アルプスが正面に見えてますけれどちょっとこの左画像では無理ですね。
冬枯れ景色のようでもありますが、よく見ると、
右画像のようにちゃんと春は訪れていました。
(11)
北アルプスだけではなく、視界が開けて見える方向にはみな一級の山々が見えます。画像は南東方向の八ヶ岳の山々。

(12) 
可愛らしい春らしさを探すと・・・
左上
落葉の下から芽を出して花開こうとしているスミレの仲間〜スミレサイシンでしょうか〜スミレはいろいろあって難しいです。
右上
この時期のこの形の花はたくさんあって、スミレよりもっと難しいです。柳の仲間で、葉が開くより先に花が開き、やや高い山、木の高さでみるとオノエヤナギあたりかと思われますが・・・

画像の左、遠景のディフェンダーとカーブミラーの間にある網掛けの繭ですが、大きな蛾、クスサンの繭です。中身はもう羽化して入っていません(入っているときから透けているので、別名「スカシダワラ」といいます)。
(13) 
さて、ここまで、尾根上を似たようなコーナーを繰り返して進んできましたが、急に広く開けてきて、分岐があります。
本線は画像の手前方向へ伸び、画像左奥に伸びる支線の先には、「日本中心の碑」があることが、分岐にも表示されています。
時間のタイミングも丁度よかったので、ここでコーヒータイムとしました。風がなく陽射しが気持ちいい上に、景色も良好で、その中でのむ入れたてコーヒー・・・とても満足。至福の時ですな。
昼食ポイントとしますと、単独又は少数車ならば、このあとの(14)のほうがよりいいかもしれません。まあ、風の向きや強さにもよるかな・・・
下の画像のように、経ヶ岳や木曽駒ケ岳も大きくみえてきました。
(14) 鶴ヶ峰への支線・日本中心の碑

(13)の分岐から200m程入ったところにある鶴ヶ峰の展望台です。鉄製の八角形の展望塔は、とにかく、景色が最高の一言で、3つのアルプスと八ヶ岳がぐるり一周取り囲んで見えます。しばらく時間を忘れて見ていたいほど。
展望塔の足元は車が一周転回できるよう道がつけられています、ただ、乗用車等ですと少々起伏が大きめです。また、駐車スペースとなり得る余剰はあまり広くありませんので、多数の車は同時には利用できないかもしれません。
既に王城枝垂栗線の入口には、「日本中心の碑」の案内指標が、出ていたくらいの知名度のようですが、ここで私がのんびり展望を楽しんでいる間には1台も車は入ってきませんでした。
鶴ヶ峰の展望塔から中央アルプス、伊那谷方向を望む。

(15)
これが、「日本中心の碑」です。
(13)の分岐から入ってすぐのところに、この石碑があります。石碑のほかには特に何もないですが、先ほどの展望台の景色からは、「日本の中心」という大げさな表現(だって、どういう中心なのでしょうか。緯度、経度だとしても、北方領土を入れるかどうかで変わるしなあ、竹島とかも・・・本州の緯度・経度かな?それでは「日本」じゃないですねぇ。重心?んな計算しないよなぁ)も、納得して差し支えないかと思われました。とにかく、展望塔の景色は最高です。
(16) 林道王城枝垂栗線(続き)
再び(13)の分岐へ戻り、本線の続きです。分岐から少し行くと、また石碑、「古里の どの山からも 雪がくる」とあります

(17)
林道王城枝垂栗線のダートもそろそろ終焉を迎えるころ、正面に伊那谷が広々と広がってきます。
(18)
この右ヘアピンで左方向から1本細いダートが合流してきます。地図でしか確認していませんが2kmほどで行き止まりの林道と思われます。名称などは分かりません。また、この手前の登板舗装も含め、この先辰野市街方向は、本線はすべて舗装されてしまったようです。ですので、ここまでのダート距離は8,1kmという道程でした。
なお、画像では分かりづらいですが、右奥に(19)の石碑があります・・・信州は石碑が多いですね
(19) 林道七蔵寺線
左画像は、(18)画像の右下方向にすこし下ったところにある林道七蔵寺線入口です。
右画像は、(18)で触れましたが、なぜか王城枝垂栗線にある「七蔵寺林道開通記念碑」です。
(20)
林道のダート自体は1.9kmと短い道ですが、九十九折がなかなか厳しく、最小半径のなが〜いDEFENDERですと、がんばっても3つくらいは、うかうかしてると6つくらいのコーナーで切替しが必要かと思われます(^^ゞ
路面のほうは、乗用車クラスですとやや荒れが気になるかもしれません。
(21) 横川川の河原(昼食)
少し早いけれども昼食をとりながら、のんびりしたく横川川の河原に下りました。しかし、「横川川」はしつこい名前ですよぉ。
この(21)の表題に一度、「横川川河原で昼食」と書いてすぐ取りやめました(-"-)
この横川川のひとつ南の谷は、小横川という川がある谷で、林道も3本ほどはあるようなので、はじめはそちらへ向かいましたが、昼食をとるには川が小さすぎて、こちらに移動。ここならゆっくりできます。もちろん、本流の天竜川の河原でもいいのですが。こういうふうに地形に起伏があるほうが、気持ちが落ち着く性分です。500mmレンズを構えて野鳥を待ちましたが、まっ昼間のせいか、ぜ〜んぜんやってきません。少し遠くでは、さえずりがたくさん聞こえるのですけれどねぇ。
(22) 横川坊主林道
昼食後、この横川川最奥部の沢沿いを走る横川坊主林道を遡ってみることにしました。枝道の林道もなかなかよさそうで、わくわくして入り口を通過。ここは国有林道なので、「林道○○線」ではなく、「○○林道」の表示です。

(23) 
う・・・その国有林道らしい立派なゲートが・・・

(22)から500mほどで、いきなり施錠ゲートが登場し、枝道の林道の分岐もまだ先であるため、結局谷の奥の全部の林道がだめでした。
このゲートに貼ってあるゲート閉鎖の説明によると、常時まったくの閉鎖というわけではなさそうです。ゲートは閉まっているものの施錠をしない時期があるようで、その時期は自己責任を了解の上で走行可であるらしいことが書かれています。しかし、あくまで地元の方のためという趣旨と読めます。
(24) 横川ダム
(23)へ向かう途中に見えた横川ダムに立ち寄って見ました。左画像は上流で、釣りをする方の姿が見えます。
上画像のダム方向は大きな広場があって、20台くらいの台数でも十分に野営できそうな広さがあり、実際、数台が既に幕営中。釣りにはいいでしょうし、カヌーを下ろしてみるのもなかなかよさそうに感じました。
(25) 林道大横川線
横川川の谷の入口になるあたり、横川の集落を見下ろす山腹を走る林道大横川線を、奥(西)から外(東)に向かって走ります。左画像は、車両が進行方向とは反対を向いています。実際にはここを左奥に向かって進みます。そして、しばらくは右画像のように九十九折の舗装道で一気に標高を上げ、一定の高さまで上がったところでダートになります。

(26)
とりたてて、大きな特徴はない道ですが、若木色の柔らかな色が気持ちよく、楽しい走行になりました。また、日当たりも関係していると思いますが、蝶(キベリタテハやルリタテハ)がたくさん見られました。

(27)
眺望はさほど開けない道ですが、このような感じに時折、麓の横川集落が見下ろせます。

(28)
全8.1kmのダートを出てきたところが左画像。ここはもうR153にもかなり近いところになります。もうひとつ書きもれましたが、この林道の道中では山菜が豊富に見られました。沿道にコゴミの群落も見られましたよ(右画像)。

(29) その他周辺
なんということのないタンポポの群落ですが、この横川周辺をはじめ、この地方は、我が家の周辺と比較すると、明らかにタンポポの個体数が多く感じられました。中には広い野原いっぱいがタンポポ畑のようになった、まっ黄色に染まった広場もありました。
(30)
この日、ダート林道は、もう走る予定はないのですが、R153を少し南に下り、くねくねの舗装山道をたどって、萱野高原へ上がってきました。ここはミズバショウの群落が見られるということで、徒歩散策路からは右画像のようにそこそこ咲いているミズバショウを見ることができました。ただ、ちょっと少な目かもしれません。

(31) 萱野高原の林道
左画像は、萱野高原を南へ下る途中の林道の四差路。正面方向以外の3方向は舗装路です。正面方向は、右画像の林道峯山線で、同林道は、ここからR152方向へ伸びていますが、今回は走行せず、また機会を見て来てみたい道です。

(32) 伊那市
この日の宿泊は、伊那市街、伊那といえばローメンとさくら肉でしょうか。


GWに好天に恵まれて、今年は各方面の観光地などかなり賑わったのではないでしょうか、林道めぐりでは、まったく人に会わないので、その傾向はさっぱり分かりませんが、地方都市でも街中へ出てくると車がやや多いような気はしました。とはいえ、やはり、林道では人ごみも知らずに、のんびりと自然を満喫できて幸せなひと時がすごせます。
翌日は、また少々林道を走りますが、状況は次のレポ73へ廻すこととして、ここは、ひとまず締めておきます。





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