WOODLAND-TRAIL
トップページ林道ツーリングレポート075 三依の林道〜見通沢林道ほか〜/栃木県


三依の林道〜見通沢林道ほか〜 / 栃木県

林道ツーリングレポート (075/'06.7.23)


 夏の涼を求めて渓流へ。
会津西街道で栃木県から福島県に入る県境一歩手前の西側の山域に、近くの安ヶ森林道や田代山林道の影に隠れ、あまり目立たない沢沿いの林道がいくつかあります。いずれも行き止まりの往復路林道ですが、それだけに、休日の利用者は渓流釣りを楽しむ少数の車だけであり、ゆっくり自然を楽しむにはもってこいの林道です。
今回は、この林道群に夏の涼と昆虫を追ってきました。

●実走コース
(略)塩原→R400→R121/中三依→【入山沢林道】・(中の沢林道閉鎖)→【見通沢林道】・【松倉沢林道】→三依(昼食)→五十里湖→宇都宮(大谷)→(略)

●データ(06.7.23)
【見通沢林道】
走行可
ダート約9.1km以上
見通沢の渓谷美良好な往復ルート。全体にはフラット・イージーだが、所々で、小さな土盛りがあり、四輪では低底車は注意要す。奥に行くにつれ、路面はやや荒れてくる。
蝶の姿が豊富で、何箇所か沢の川原も楽しめるポイントもある。
【松倉沢林道】 走行可
ダート約1.8km以上
見通沢の奥部で枝分かれする松倉沢に沿った往復ショートルート。見通沢林道の入口から、5.9km地点で分岐。ややぬかるみ多い。
【中の沢林道】 通行止
未計測
林道入口でゲート閉鎖。
【入山沢林道】 一部走行可・一部閉鎖
ダート約1.6kmでゲート。その先2.0km程度ある
ダート開始約から約1.6kmにある分岐&橋の地点でゲート閉鎖中だが、水量が豊富な季節は渓谷美がすばらしい。釣りの利用が多い。
【林道小田小線】 走行可
今回未走行で計測なし
見通沢林道入口を入らずに過ぎてすぐを反対側(左折)へ分岐してゆく林道最初からダートだが今回未走行。利用少なく夏は草が多い。

●林道地図  
三依エリアの林道地図

(1) 朝の三依の渓谷
塩原をR400で通過、峠のトンネルを越えて会津西街道へ抜けます、これを川治温泉方向に右折したあたりは、三依(みより)地区といって、古くは三依村、最近まで藤原町、現在では日光市に属し、奥鬼怒の会津越えの林道などに行く際にお馴染みの集落ですが、この三依にも自然豊かな林道があります。
このあたりでは、今回の林道の他に、芹沢林道(現在常時閉鎖)や平沢芹沢林道(残念ながら舗装済)もあります(→レポ31参照)。
走る林道のほとんどが渓流沿いで、季節も雨季のため、沢の水量が多くて渓谷美はこの日走ったすべての林道でずっと楽しむことができました。
見通沢林道入口を右に見て直進したすぐのあたりに、滝があって渓流に降りられそうな場所があったので、しばし滝の流れを見ていると、まだ、朝早いこともありますが、体が冷えてくるほどあたりは冷涼です。
(2)林道小田小線
滝の少し上流に、この日走る全ての林道とは逆の、左(南)へ分岐する林道小田小線の入口があります。
あまり使われていない林道で、初めからダートの路面は、入口付近では荒れた様子も見られませんでしたが、季節柄もあってやや草ぼうぼう状態。少しは奥まで入れそうではあったものの、今回は気分的にパス。
(3)中の沢林道
林道群は全て1つの沢に合流する支沢に沿って通じていて、沢の合流点は下流から見通沢、中の沢、入山沢となります。

今回は、見通沢、中の沢の入口をスルーして、奥の入山沢から様子を見てみようかと思いましたが、途中、中の沢林道は、通り掛りに入口のゲートが閉鎖しているのが見えましたので、早くもoutです。
(4)入山沢林道
最奥の入山沢林道のダートに入りました。
ダートになる直前に釣り場の施設(三依渓流つり場・入漁料…1人2500円)、そして釣り人を客とするのでしょう、日帰り湯の温泉があります。
(5) 
少し先に行くと、ちょっと開けた野原がありました。山間のため、まだすっかり明るくはなりきっていませんが、アキアカネでしょうか、朝から、かなりたくさんのトンボが飛び交っています。
(6) 
3つの沢では、この林道が釣りで一番賑わっているようで、事実、対向車も何台かには遭遇しました。
(7)
さほど走らないうち(ダート開始から約1.6km)に正面に橋、右手にはおそらくは送電線施設への資材導入路と思われる舗装路の分岐が見えてきますが、本線はこの橋の手前でゲート閉鎖になっています。
(8)
分岐で広くなったところに停車して、しばらく周辺を歩いてみました。
釣りの利用が多いこともあって、林道のルート中にも、何箇所も渓流に下りられる小道が付いていて、この橋の袂からも道があります。
(9)
林道沿いの渓流に注ぐ更に細い流れが、気持ちよく森の中を流れ下っています。涼しさももちろんありますが、吸い込む空気に活性を感じます。
(10)
中の沢林道、入山沢林道とあっけなく終わってしまったので、残る見通沢林道に向かうほかなさそうです。渓流釣りの様子も見ながら見通沢林道入口まで戻ります。
(11)見通沢林道
見通沢林道は、3つの沢では最も深くまで分け入る距離のある林道なので、最後まで走れることを期待しながら走ります。
(12) 
見通沢林道の路面は、奥ほど荒れぎみではあるものの、それほどのことではなく、乗用車でも基本的には大丈夫だと思いますが、意図的なものなのか、たまにやや高い土盛りがみられます。「通さないよ」という高さではないので、ここで引っかかるような場合はこの先は危険なので進入を遠慮してもらおうというような意味なのでしょうか。
(13)
川原に車両で下りられる道がいくつか見られました。この沢はかなり大きな沢ですが、入山沢林道と比べると、釣り人の姿は稀で、対向車にも滅多に遭いません。
(14)
沢の小石をひっくり返してみると、カゲロウなど水際の昆虫の幼虫が、ピチピチと動いているのが観察されます。
(15)
林道を横断してゆく生き物たちです。ヤマアカガエルがピョコピョコと車の前に飛び出して急停止。ヤマドリにはずいぶん遭遇しました。スタスタ逃げてゆきますが。かなり迷惑そうな顔をしている気がします。いや、実際迷惑なことでしょう。
(16)
より広い河原に出られるところがありましたので、ここでゆっくりしてみます。
ほとんど人の気配がなく、本当に気持ちよい空間です。

車のドアにシータテハが何の躊躇もなくくつろいでいます。また沢のすぐ周辺にはミヤマカワトンボが美しい姿を見せていました。なかなか、すぐ近くまで近寄れないトンボで、この画像は500mmレンズ(35mm換算で750mm)をわざわざ使っています。
(17)
どこまで行っても緑が気持ちいいです。しばらく行くうちに、朝の山間も大分気温が上がってきたからでしょうか、蝶の姿が目だって多くなってきました。これは、コムラサキ。この角度で紫色がとてつもなくきれいですが、反射角度によりただの茶色にも見えます。
(18)
ミヤマカラスアゲハが光の具合で、際立ったコバルトブルーにも見える美しいはねを広げて路面周辺を行き来しています。
このミヤマカラスアゲハの姿は、夏の林道では一種の風物詩的な存在といってもいいと思いますが、光を浴びたとき見せるブルー〜グリーン系の反射光沢は、個体差よりも、どうも地方で違いがあるように経験上感じます。
例えば埼玉の中津川林道では、一様にエメラルド・グリーン、北海道のニセコ周辺の林道では明るめのストレート・ブルー、ここ、見通沢林道ではコバルトブルーといった具合で、その周辺一帯で目にするミヤマ・カラスアゲハはみな同じ色に見えるのに、別の場所で見かけるものは、明らかに光沢色が違うように思うのです。
その地方の地質が含む、金属元素の特長による作用なんていうのも想像されますが、機会があれば調べてみます。
(19)

なかなか、梅雨の明けないこの夏ですが、ともかくこの日のこのあたりはいい天気。爽やかな夏を味わうことが出来ました。

ホタルブクロ(右)も我が家周辺のものとちがっていい色です。これはヤマホタルブクロではなくただのホタルブクロのようですが、色は各地でずいぶん変異もあるようですね。
(20)
画像ではわかりづらいですが、画像中央で直進する本線と、右折する松倉沢林道とが分岐します。
見通沢林道の入り口からここまで約6kmダート距離で5.4kmです。
先に松倉沢林道のほうへ入ってみました。
(21)松倉沢林道
松倉沢林道は、(20)の分岐から約1.8kmのこの駐車スペース程度の広場まできたところで、その先が急に細く草深くなるので、ここまでとしました。左画像は、林道奥から見た画像。右画像は、左画像のカメラ位置で反対に奥を向いた画像で、画像左に小さな滝が見えています。
(22)見通沢林道(続き)
再び(20)に戻って、見通沢林道を更に奥に進みます。
とても走りやすいこの道も、このあたりからは少々荒れた部分やぬかるみが目立ってきます。
(23)
少し開けた広場があって、左に小さな分岐があります。入っては見ましたが、100mでいきなり行き止まりでした。
(20)からここまでが約1.9km
(24)
そして、さらに1.8km奥に進むとこのような状態になり、草の高さがルーフに達する程になったところで引き返して、この林道散策もおしまいとしました。
林道のほうはここまでで、R121の三依に戻りました。丁度昼時でもあったので、ここは、いつも通り過ぎていて食べたことのない三依そばでも食してみることにしました。結構いい蕎麦なんですよ→三依そば街道
おまけ
カヌーの適地として以前から奥鬼怒の五十里湖には目を付けていました。下見がてら湖岸を訪れると、広さも奥深さもいい感じです。いい出艇場所や、すぐ後背地でキャンプもできそうな広場もあり、どちらも既に何組か先客がおられました。
そのうちに、機会をみて漕ぎだしてみようと思っています。
エリアはまったく違うのですが、丁度帰路となる宇都宮方面で、かねてから行きたいと思っていた大谷石の採掘坑道を見学に行きました。「行きたいと思っていた」と言っても、20年程も前から気になっていたのに、たまたままったく縁がなかったのですが、訪れてみてあまりのすばらしさに夫婦でびっくり。坑道の中は、気温が常時十数度と安定し、夏はヒンヤリと気持ちよく、容積は東京ドームほどもある広大な地下スペースで、幻想的な照明に照らされて不思議な気持ちになります。坑道の中だけでなく、外の大谷の町の風景も、あちこちから石の山がニョキニョキしており、ちょっと異国の雰囲気がするほどです。(→大谷資料館

HP開設後でしょうか、近年どうも走ってばかりが多くなりがちですが、今回は主に沢や木々、蝶・トンボの観察でたっぷり時間を費やし、やっと本来の自然観察のための林道走行ペースに戻れたなぁという気がしました。
林道に入ったのは、いつものように早朝一番で、昼過ぎからの三依散策、五十里湖、そして大谷石の地下坑道と別途行動も実があったので、そちらも含めると、かなり収穫があった気がします。




林道ツーレポ入口に戻る

トップに戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送