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利根平川林道 / 群馬県

林道ツーリングレポート (080/'07.05.04)


 雪解直後はかなりハード、往復路のロングダートを走ってきました。
晩秋や春といった積雪期前後は、普段ゲート閉鎖気味の林道も比較的開放されていることが多い。今回は、片品方面で、マイナーではないけれども、少々隠れた存在である平川林道を走ってきましたが、この道のゲートも、思惑どおり開いていたため、最奥部まで全線を走ることが出来ました。
しかしながら、融雪直後の林道というのは、多分に荒れが目立つもの。特に普段から落石の多い道は、それなりのガレガレを覚悟しないといけませんが、今回の利根平川林道は、その奥部ではかなりのロックセクションを味合わされ、結構体力を使いました。

●実走コース
(略)→道の駅「川場田園プラザ」→玉原湿原→【林道迦葉富士山線】・二十一世紀の森(県立森林公園)→県道64→【利根平川林道】・【林道真菜板倉線】R120/県道267→しゃくなげの湯→県道62/R122→(略)

●データ(07.05.04)
【林道迦葉富士山線】
全線舗装済
森林公園周辺の整備で、すっかり舗装され、一部は立派な道に変わった林道。
【利根平川林道】 走行可
ダート約12.9km
見下ろす断崖と切り立った崖や急斜面の間を、縫うように細く沢沿いに上ってゆく往復道。スリリングだが、景色は良好。途中、何箇所か野営適地がある。ダート始まりから約4.3kmでゲートあり。今回は開放されていた。最奥部区間は「三重林道」との旧称と思われる石柱がある。
【林道真菜板倉線】
ダート区間入口残雪
ダート約0.5km+3.0km程度?
平川林道から分岐し、途中の急登板区間はすべて舗装された林道。舗装終点の先、左右に細くダートが続くが、今回は残雪があって未走行。

●林道地図  
平川エリアの林道地図 群馬・平川エリアの林道地図

(1) 道の駅「川場田園プラザ」
(2)
前夜に家を出て、ALL下道で群馬県の沼田市隣、川場村へ。道の駅「川場田園プラザ」にて、車中泊で朝を待ちます。天気も良好のようで、少し薄明の始まった空には、満天の夏の星座が見えました(1)。
朝が明けると、山々に囲まれたのどかな風景。睡眠不足で、少々遅い目覚めとなりながらも、なお、ゆったり朝食をとります。朝から陽射しが強く、暑いくらいの一日になりそうです。
(3) 玉原高原・湿原
今回はまずは、林道からではなく、沼田市最北部の玉原(たんばら)高原へと向かいます。玉原といえばスキー場で名が通っていますね。
ここは玉原ダムがあって、ダム奥には、野球場4つ分くらいの平坦で広大な広場が整備されています。
車を画像一番奥のレストハウス周辺に停め、目的地である玉原湿原へと歩いていきました。
(4)
湿原は、一周20分程度、ゆっくり観察しながらでも1時間程度で回れる木道が整備されています。4月下旬から5月中旬まではミズバショウがよく見られ、その他の季節もサギソウやコバケイソウなど様々な植生がみられます。 →沼田市HP内の案内
今年は、他にゆっくりミズバショウを見ていないので、ここで少々撮影timeです。

(5) 林道迦葉富士山線(全舗装)と県立森林公園
さて、湿原をゆったりと楽しんでいるうちに既に日は高くなっています。今回の林道の方の目的地は平川林道。玉原からは少々離れていて移動しますが、途中バイパス気味に山越えする迦葉富士山線を通過します。
画像の橋の袂が林道入口で、ここを右に入ってゆきます。車の前に林道表示板も小さく見えていますが、今は森林公園への道としてよく整備された道になっていました。
迦葉(かしょう)は、仏教用語で、尊者の名のほか、いくつか意味があるようです。
(6)
迦葉富士山線がちょうど山越えする中間点に群馬県立森林公園21世紀の森があります。この公園は、第49回全国植樹祭(1998年)の会場地跡にできた森林公園であり、とても広々としたスペースが広がり、複数の広い駐車場も用意されていますので、大きなイベントなどもたまにやるのでしょうか。植樹祭跡といえば、山梨の瑞牆山と同じ趣旨の公園ですね。そういえば、ここも瑞牆山の森林公園も、県立公園で立派に整備された公園なのに、なぜかツーリングマップルには、存在すら掲載されていないのが不思議です。カーナビなどのマップには、ちゃんと入っているんですけどね?

(7) 利根平川林道(ダート開始〜分岐)
迦葉富士山線を越えて、川場村から県道64号を辿って、右に赤倉林道入口(相変わらず全面通行止の表示が出ていました)や、花咲温泉などを通り過ぎて、R120に出ます。国道を少しだけ南下して東に折れ平川小学校の前を通ってゆく道を遡れば利根平川林道に続きます。左画像のところからダートが始まり、ここから終始にわたって、左に崖を見上げ、右に谷を見下ろしのルートがずっと続きます。

(8)
ダートに入って0.5kmで、小さな広場が右眼下に見えましたので、ちょうど昼時でもあり、ここで食事とします(広場はトイレ設備あり)。車のすぐ先は、下が沢になっていて、沢まで降りられます(左)。周辺には、スミレやシダの若芽が美しく、キケマンの花も点在して咲いていましたよ(右)。

(9)
食事も終えて、道を先に進めます。天気が良いのに加え、道は右側がずっと谷底で開けているので、景色も良く、明るい道が続き気持ちよく走れます。

(10)
特徴的な、V字の切通しです。このあたりの石の質は、割れたときの断片がやや鋭利なので、落石(落ちてるやつですよ)でタイヤを無駄に傷つけないよう注意が必要と思います。

(11) (分岐〜最奥部)
利根平川林道のダートが始まってから約2.4kmで、画像の分岐に差しかかります。ここは左が林道真菜板倉線の起点で林道表示板も立っています。まずは本線の平川林道を行けるところまで進みます。この先ゲートがあるのですが、季節柄開放されていることを期待しながら・・・
(12)
伐採跡の明るいところを走ります。砂地が多く露出してちょっとまぶしいくらいで、上に続く作業道には、なにやら屈強そうな作業車が止まっています。
(13)
おお!こいつはラッキーです。(11)の分岐から約1.9km、ダートの開始から約4.3kmでゲートがありましたが、思惑どおり開いていました。このゲートは、以前はたいてい閉鎖されていたと聞きますが、最近は開放されるようになったのでしょうか。それとも、経験上、冬の前後は、こうしたゲートは開いていることが多い気がしますが、その季節柄でうまい時期に当たったのでしょうか。ともあれ、機会を逃さず中に進みます。
(14)
ゲートの先は、それまでよりやや落石なども多くなってきます。それでも走行に大きな支障をきたすようなほどではありません。鋭利な石にだけは注意して進みます。
進行方向右側の谷は、相変わらず深く、はるか下を見下ろす感じに続いていますが、道にはほとんどガードレールはありませんので、なれない方は少々注意を。
(15)
おや?林道に珍しい高さ制限ゲートです(左)。なるほどその先にトンネルが見えてきました。この林道には全部で4つのトンネルがあり、元々素掘りであったようですが、今はみな何らかの補強がされています。続いて2つ目のトンネルも見えてきました(右)。

(16)
(13)のゲートの先、約4.4km、ダート開始から約8.7kmで沢を渡る橋を越えます。この沢は二重泉沢で、また、この橋から先の林道には、表示(後述(25))によると「三重林道」の名称があてられています。

周辺を歩いていると、ヒラヒラと足早に飛ぶ蝶がいます。とまったところを確認。林道ではおなじみの、羽根がぎざぎざなシータテハです。(林道周辺の生き物たち・蝶のなかま

(17)
残るトンネルの3つめと4つめです。トンネル内は若干水のたまったところもありますが、走行に問題はないでしょう。

(18)
(13)のゲートから約7.8km、ダート開始からは約10.2kmで右に分岐があり広場が見えてきます。ここは平坦地としては、林道内で一番広く、川の浅瀬も目の前に広がっていて、そこにも降りられるので野営には適所です。実際に、GWをここで野営で過ごしているファミリーが何組かおられました。5月初めとはいえ、暑いくらいの陽気のせいもあってか、早くも水浴びをしている親子の姿も。

(19)
沢は野営地のところでは堰があって比較的緩やか(それでも勢い良く流れてます)ですが、その下流で瀬滝の急流となって流れ下っています。シダやコケが水際に映えます。

(20)
(21)
この広場までは、車の出入りも比較的あるようで、路面はやや荒れ程度どまりでした(とはいえ、(16)の橋のところでは、岩でタイヤを切ったのでしょう。パンクしたスペースギアが救助待ちしていました。)。しかし、この先は、いよいよ林道の最奥部となり、急に道が険しくなってきます。いきなり、(20)のような、一見通行不可かと思われるようなロックセクションもあります。路面自体は、比較的しっかりしたものであるので、これからの季節、通行する車も増えてくれば、落石も徐々にどかされたりして、走りやすくなってくると思いますが、まだ雪解け状態のままのこの時期ですとご覧のとおりです。何回か車を降りて軽い土木作業が必要でした。
(22)
こういった、片斜面ぎりぎりという場所も少なくなく、かなりリスキーな走行になります。
例によって、一番きついところとなると、走行の方に神経が行ってしまうので、のんきに撮影していないため画像はないですが、とにかくロックと迫る路肩には注意が必要で、Lの2速のギアを使う難度の道です。
ノーリスクをモットーに走っている私にしては極めて珍しく、ナンバープレートを捻じ曲げて、プレートガードを吹っ飛ばしてしまいました。
(23)
この坂を上るとそろそろ終点。ここの路面画像も、土木作業後のものです(左)。・・・おっと、鹿がこちらを見守っています(右)。

(24)
後半、時間の掛かったこの林道も、この広場で終点で、道はぷっつりと終了します。既に西日はかなり傾いていますが、静かで爽やかな空気と山々の景観が気持ちよい終点です。
暫しの休息後、引き返します。
(25)
帰り道の画像ですが、こんな感じに、すぐ向こうは崖下で、なかなかスリリングであり、爽快でもあります(左)。また、上記(16)のとおり、この林道の最奥部は三重林道という名称がこの石柱に刻まれていました。「三重」はここを流れる沢の名前かもしれません。

(26)
ゲートの出口まで戻りました。
このような、あまり開かないといわれるゲートで、かつ、往復路の林道の場合、ゲートを入り戻ってくるまでにここを締められたら・・・というような心配もあるので、ちょっと一安心。
(27) 林道真菜板倉線
さて、平川林道をずっとくだり、(11)の分岐と同じところに戻りました。今度は林道の入口側から見て左方向の林道真菜板倉線へ入ります。
この林道の名前は、どういう語源でしょう。よくあるように、2つの地名「真菜」と「板倉」を繋ぐという意味なのか、または、何かを「真菜板」(まな板)のように見立て、「倉」は山の地形の「鞍」が転じたものかそんなところだと思いますが、知るすべはありません。
(28)
この林道は、急坂が続き、初めのうちの比較的緩やかなこの部分で0.5km足らずのフラットで広いなダートがありますが、その後はずっと山の尾根に出るまでコンクリートの坂対策簡易舗装が続きます。
(29)
コンクリートになって約1.0km、ここで幅広のコンクリート路面が終わり、林道表示板には「終点」の文字が見えます。しかし道自体は、1車線分の細いものになりますが、まだ、ずっと上まで続きます(左)。途中に一箇所だけ分岐があり、右の方に昇ってゆきますが(右画像の奥の方向)、今回はそちらへは行っていません。

(30)
以前は、このコンクリート舗装も、もう少し下で終わっていたようですが、現在はここまで伸びたようです。尾根で細く左右に続くダートにぶつかります。
一見、終点広場に見えるかもしれませんが、ここは広場ではなくT字路です。地図によれば、ここから右方向にダートが3kmくらい続くようです。
(31)
その、右方向の細いダートですが、通常期なら問題なく走れそうですが、北側斜面であるせいもあって、まだ残雪が多く、無理をしてでも行くような時間でもないので、今回はここでストップ。画像目の前の白いものが残雪です。
(32)
林道真菜板倉線を、ひたすらエンブレで下ります。遠く赤城山が見えているのでしょうか、はっきり分かりませんが、夕景に浮かぶ山の稜線が綺麗です(左)。道を下ってゆく途中でも、この日何回か見かけている鹿のファミリーに出会いました(右)。

(33)
午前に湿原歩きなどをしたり、この日のペースはかなりゆっくりだったこともあって、走った道は少ないですが、中身はなかなか充実のこの日の林道もこれでおしまい。余裕があれば、少し遅くなっても栗原川林道のロングダートを通ってなんて考えもありましたが、さすがに日没後にこれから向かう気にはなりません。
R120を南に下って、老神温泉から薗原ダム脇を抜けて、しゃくなげの湯で汗を流して帰ります。
この方面では、花咲の湯と共にこの温泉も良く使いますが、この日はGW真っ只中であることもあって、かなり混んでいました。両温泉とも、設備はきれいに整った大型の温泉施設で、手軽ですが、同じ日帰り湯ならば、この方面では川場村の武尊温泉周辺のほうがいいかもしれません。

今回はやけにあっという間に一日が終わってしまいました。朝のうちから湿原で写真三昧していたからでしょうか。それにしても、ほとんど1本の林道で、しかも、往復路の林道である平川林道ですが、ずいぶんダート路をたっぷり楽しんだ気がします。
10-30kgの落石どかし作業は、なかなかの労働でしたが、温泉に浸かり手足を伸ばせば、開放感もひとしおで、すっかり心地よくなって、関東平野縦断の下道帰路もなんらの疲労もなく家にたどり着きました。




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